贅沢三昧、読書三昧、映画三昧、グルメ三昧、オリンピック三昧も悪くないけれど、2021年の夏は・・・そうだ、カメラを持って「奈良博三昧」へ行こう!
「三昧(さんまい)」(「●●三昧」などの合成語では「ざんまい」と読む)は、もともとは仏教に由来する言葉だ。サンスクリット語で表記された経典に「サマーディ(samādhi)」とあったのを、古代中国の高僧が漢字で「三昧」と写した。意味は「一つの対象に精神を集中すること」。熱心に仏の姿をみる「鑑仏三昧(かんぶつ・ざんまい)」という言葉もある。
「仏教美術の殿堂」と呼ばれる奈良博(ナラハク/奈良国立博物館)の特別展『奈良博三昧—至高の仏教美術コレクション—』(7/17-9/12)は、まさに鑑仏三昧にうってつけの企画と言えるだろう。いや、まちがいなく言える。
奈良博は、明治28年(1895)に日本で2番目の国立博物館として設立されて以来、古都奈良の社寺ゆかりの仏教美術の保管と展示公開につとめてきた。日本の仏教美術1400年の歴史が、奈良博に凝縮しているのだ。
特別展『奈良博三昧』は、そんな奈良博の館蔵品の中から選りすぐった作品のキュレーションによって、1400年の歴史を眼前によみがえらせてくれる。