千載一遇とはまさにこのこと。
コロナ禍で1年延期となっていた奈良国立博物館特別展「国宝 聖林寺十一面観音 —三輪山信仰のみほとけ—」が、待望の開幕を迎えた。(会期:2022年2月5日(土)~3月27日(日))
![](https://jisya-now.com/wp/wp-content/uploads/2022/02/スクリーンショット-2022-02-04-18.18.06-810x401.jpg)
写真左は、奈良国立博物館の正面壁面ディスプレイ。右は、会場にて聖林寺(奈良県桜井市)・倉本明佳住職と国宝十一面観音立像。この日、開眼法要で奈良博を訪れてディスプレイを見上げた住職は、「かつて三輪山で一緒だった仏像たちが、同窓会で150年ぶりに再会する。そんなイメージにぴったり」と目を細めた。かくいう倉本住職と国宝十一面観音も、昨年東京国立博物館に送り出してからこの日は実に5カ月ぶりの再会であった。住職は前夜、「明日はひさしぶりに観音さまに会える…」と興奮して眠れなかったという。尊き〝みほとけ〟は、誰のものでもなく、祈りを捧げる一人ひとりの心によりそう
![](https://jisya-now.com/wp/wp-content/uploads/2022/02/DSC09093-1-810x603.jpeg)
今回、かつて三輪山で一緒だった仏像たちが150年ぶりに再会を果たす。当初は仏像たちを横一直線に並べることも考えられたが、最終的には会場を贅沢に使って、十一面観音を中心にコの字型に会するレイアウトと空間演出が採用された。背中を見せているのが奈良・正暦寺「月光菩薩立像」と「日光菩薩立像」。正面奥に奈良・法隆寺「国宝 地蔵菩薩立像」 。空間右手中央に聖林寺「国宝十一面観音菩薩立像」。たしかに言われてみると150年ぶりの同窓会のよう
![](https://jisya-now.com/wp/wp-content/uploads/2022/02/スクリーンショット-2022-02-05-6.52.17-810x360.jpg)
会場では開眼法要が催された。仏像は単なる美術品ではなく、人々の信仰の対象として扱われている