もう1点ピックアップするならば、兵庫県姫路市・圓教寺の性空上人坐像も見逃せない。
性空上人(?〜1007年)は、九州の山々で修行した後に、書写山(兵庫県悲鳴獅子)に圓教寺を開き、花山法皇や和泉式部など多くの貴族から慕われた高僧だ。重要文化財に指定されているこの性空像は、2008年の調査により、頭部に骨壺が納められていることが知られていた。
今回、九博が改めて最先端のX線CT画像調査を実施したところ、骨壺が高さ20センチ程度のおそらく陶器製で、その表面が釉薬によるガラス層で覆われていることが新たに判明した。さらに骨壺の中には、性空のものとみられる遺骨も鮮明に確認された。
過去と現在そして未来がつながる特別展「最澄と天台宗のすべて」を九博で体験したら、コロナ禍の様子を見ながらになるとは思うが、日本天台宗の総本山である比叡山延暦寺はもとより、太宰府天満宮や宝満山(福岡県太宰府市)、宇佐八幡宮(大分県宇佐市)や国東半島の六郷満山(大分県豊後高田市)などなど、最澄と天台宗ゆかりの地と寺社を訪れてみたい。
会期 | 2022年2月8日(火)〜3月21日(月) |
開館時間 | 9:30~17:00(入館は16:30まで) |
公式サイト | https://saicho2021-2022.jp/ |
会場 | 九州国立博物館 |
住所 | 〒818-0118 福岡県太宰府市石坂4丁目7番2号 050-5542-8600(NTTハローダイヤル) |
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