「田舎の寺の小さな店ですが、結構評判がいいんですよ」と笑う住職。町の人がランチやディナーに訪れ、テイクアウトでピザを買って帰る。それだけでなく、時には瀬戸内海を越えて岡山県倉敷市からも足を運んでくれる人がいるという。
境内のガレージを改装した店では、トマトベース、チーズベース、生クリームベースのピザが各10種ほど揃い、それを住職がひとり、しっかり窯で焼いている。評判のピザのほか、前菜や窯焼きの肉料理、パスタ、デザートもラインナップしていて評判は上々だ。
「飲食店をやるからには本気でやろうと考えたんです。数年前までは高松市内のイタリア料理店で料理を作っていましたから」
慣れた手つきで窯からピザを取り出す住職。イタリア料理店を含め、実は30年以上、飲食業に携わっていたという。地元へ戻り、ピッツェリアを開業したのは、寺の存続を考えてのことだった。