仏像イラストレーター・田中ひろみ「御朱印を描くおへんろ旅〜四国別格二十霊場篇〜」

文・田中ひろみ(イラストレーター&文筆家)
女子の仏教サークル「丸の内はんにゃ会」代表。奈良市観光大使、よみうりカルチャー・中日文化センター・毎日新聞旅行同行講師ほか、テレビ出演や講演多数。著書 『心やすらぐ仏像なぞり描き』(池田書店)など約70冊。

ついに、この日がやって来ました。
仏像イラストレーターを自称する私にとってのスーパーヒーロー、〝弘法大師・空海〟のストーリーを描くお仕事が舞い込んだのです。

お声がけいただいたのは四国別格二十霊場。ご存じ四国八十八ヶ所霊場の番外霊場のうち、お大師様と特別なご縁のある寺院が集まって1968年(昭和43年)に創設された霊場です。

いただいたオーダーは、四国別格二十霊場20カ寺それぞれに伝わる弘法大師のエピソードをモチーフとして、各寺院が授与する特別御朱印用に20種類の絵を描くこと。来年2023(令和5)年は、弘法大師御誕生1250年という大切な節目の年にあたり、その記念事業の一環としてのご依頼です。なんと光栄なことでしょう。本当に夢のようです。

ちなみに四国八十八ヶ所霊場については、すでに結願して『ふらりおへんろ旅』(西日本出版社、2010年刊)という本も書かせていただいています。四国別格二十霊場もいつの日にかと思っていましたが、せっかくのありがたいご縁をいただきましたので、これを機会に巡ることにしました。

ということで今回は、二十霊場のうち3つの札所についてご紹介したいと思います。レンタカーを借りて、妹とふたりで5泊6日のドライブ遍路でした(ふらふら寄り道しなければ4日間で巡れるそうです)。

〈目次〉
①四国遍路の原型:別格第九番札所「文殊院(もんじゅいん)」
②橋の下の野宿大師:別格第八番札所「十夜ケ橋(とよがはし)」
③悪龍が棲む洞窟で穴禅定体験:別格第三番札所「慈眼寺(じげんじ)」
④四国別格二十霊場すべて巡って結願(けちがん)したら……

次ページ:四国遍路の原型「文殊院」へ

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監修:全国寺社観光協会

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