天才大仏師・運慶は、東大寺や興福寺などの造像に関わったことから奈良の仏師というイメージが強烈だが、鎌倉時代の東国(関東地方)においてもスター的な存在であった。
鎌倉幕府と密接に結びつき、北条氏の信頼を得て、横須賀ゆかりの氏族、三浦一族の造仏に広く関与したことで知られている。本展では、三浦半島の各寺院が所蔵する運慶および運慶工房が手掛けたと見られている仏像を中心に、前後する時代の仏像や書跡等、約50点が公開される。
なお、貞応2年(1223)に没した運慶の800年遠忌を記念して開催される本展覧会は、横須賀美術館から神奈川県立金沢文庫へと巡回するが、横須賀美術館は三浦一族に、金沢文庫は鎌倉幕府に、それぞれ重点を置いた展示内容となる。両者あわせてスペクタクルな一つの展覧会と言うこともでき、関連する寺院巡りなどしながら、どちらのミュージアムにも足を運びたい。
▪横須賀美術館:2022年7月6日(水)~9月4日(日)
▪神奈川県立金沢文庫:2022年10月7日~11月27日(日)
▼本展出品寺院
▪正行院(横須賀市秋谷/浄土宗)
▪常福寺(横須賀市西浦賀/浄土宗)
▪浄楽寺(横須賀市芦名/浄土宗)
▪清雲寺(横須賀市大矢部/臨済宗円覚寺派)
▪曹源寺(横須賀市公郷町/曹洞宗)
▪大善寺(横須賀市衣笠町/曹洞宗)
▪満願寺(横須賀市岩戸/臨済宗建長寺派)
▪満昌寺(横須賀市大矢部/臨済宗建長寺派)
▪無量寺(横須賀市長坂/浄土宗)
▼寺社Nowおすすめ参考文献
▪横須賀美術館・神奈川県立金沢文庫/編集『運慶: 鎌倉幕府と三浦一族』 (吉川弘文館)
▪川瀬由照・瀨谷孝之/解説『芸術新潮 2022年7月号 特集:運慶と鎌倉殿の仏師たち』(新潮社)
▪今井雅晴『仏都鎌倉の一五〇年』(吉川弘文館)
▪塩澤寛樹『大仏師運慶-工房と発願主そして「写実」とは』(講談社)
横須賀美術館開館15周年記念
800年遠忌記念特別展「運慶 鎌倉幕府と三浦一族」
会期 | 2022年7月6日(水)~9月4日(日) 開館時間 10:00~18:00 ※会期中、展示替えがあります。 |
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休館日 | 8月1日(月) |
観覧料(税込) | 一般 1,000(800)円、高校生・大学生・65歳以上 800(640)円、中学生以下 無料 *所蔵品展、谷内六郎館も観覧できます。 *( )内は20名以上の団体料金 *高校生(市内在住または在学に限る)は無料 *身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳をお持ちの方と 付添1名様は無料 |
公式サイト | 横須賀美術館 |
巡回展 | 神奈川県立金沢文庫 2022年10月7日~11月27日 |