20世紀ポップ・アート界の巨人、アンディ・ウォーホール(1928-1987)
本展は、米・ピッツバーグにあるアンディ・ウォーホル美術館の所蔵品から、なんと100点以上もの日本初公開作品を含む約200点が出展され、ウォーホルとはいったい何者であったのかに迫る大回顧展である。コロナ禍で2年順延となっていたが、ついに開催の運びとなった(巡回はなく、京都のみで開催)。
寺社Now注目は、ウォーホルと京都、そして神社仏閣との関わり!
ウォーホルは生涯二度、1956年(昭和31)と1974年(昭和49)に来日している。そのうち2回目はすでに世界的に大成功を収めて超有名人になってからであったが、初回の1956年の旅は、まだ28歳、本名〝アンドリュー・ウォーホラ〟を名乗っていた当時のことである。
貧しい東欧移民の子としてペンシルベニア州ピッツバーグで育ったアンドリューは、ニューヨークで商業デザイナーとして成功を収めた後に生まれて初めて世界一周の旅に出た。その最初の目的地が日本だった。そして寺社を中心に京の都を巡り、目につくものを精力的にスケッチした。
敬虔な東方カトリック教徒の家庭で育ったアンドリューは、京都の寺院で〝金箔〟の使い方に目を奪われ、また龍安寺の石庭ではその〝静寂〟に心打たれた。
そこで得たインスピレーションが、後の彼の作品に影響を与えたことが知られている。千体の観音像が立ち並ぶ三十三間堂での衝撃は、マリリン・モンローを扱った作品をはじめとする同じモチーフを並べるアンディ・ウォ−ホルの作品につながっていったとも言われている。
本展のキュレーションを担当したアンディ・ウォーホル美術館のディアズ学芸員は、京都でのみ開催される今回の大回顧展の注目ポイントとして「これぞウォーホールという誰もが知っているウォーホールと、そしてもうひとつ、知られざるウォーホルという人間にも触れてほしい」と語った。
ウォーホルが京都で残した直筆のスケッチ類を通して若き創造の魂に触れ、そしてその足で彼が描いた京都の寺社を巡るという贅沢な体験が可能だ。ミュージアムの会場が「京都・ウォーホル創作の寺社旅」への入り口となる。
[会期:2022年9月17日〜2023年2月12日まで]
京都でウォーホルが訪ねたと記録が残っている場所
①都ホテル:https://www.miyakohotels.ne.jp/westinkyoto/
②平安神宮:http://www.heianjingu.or.jp/
③清水寺:https://www.kiyomizudera.or.jp/
④北野天満宮:https://www.kitanotenmangu.or.jp/
⑤三十三間堂:http://sanjusangendo.jp/
⑥桂離宮:https://sankan.kunaicho.go.jp/guide/katsura.html
⑦龍安寺:http://www.ryoanji.jp/smph/
⑧京都御所:https://sankan.kunaicho.go.jp/guide/kyoto.html
⑨山中商会京都支店:http://yamanaka-syokai.com/index.html
⑩流響院(旧織宝苑):https://www.ryukyoin.jp/
▼アンディ・ウォーホルの足跡を辿る「ウォーホル・ウォーキング」実施中
本展の連動企画として、ウォーホルゆかりのスポットをめぐる「ウォーホル・ウォーキング」が開催されている。たとえば三十三間堂では「アンディ・ウォーホル・キョウト特別展示 at 妙法院門跡 三十三間堂」と題して、ウォーホルが拝観中の写真と千手観音菩薩立像の直筆スケッチが日本初公開特別展示されている。
三十三間堂で得たインスピレーションが、金箔を用いた作品や、1960年代の作品に見られるモチーフの繰り返しにも影響を与えたのではないかと言われているが、一枚のスケッチから彼が受けた衝撃を想像してみてほしい。また、拝観中の写真は、来日時に帯同したカメラマン 原榮三郎氏(故人)の出身地である佐賀県有田市で今回見つかった貴重な一枚であり、もちろんこちらも初公開となる。
▼京都市京セラ美術館ミュージアムショップ
京都市京セラ美術館
「アンディ・ウォーホル・キョウト/ANDY WARHOL KYOTO」
会場 | 京都市京セラ美術館 新館「東山キューブ」 |
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開催期間 | 2022年9月17日(土)~2023年2月12日(日) |
休館日 | 月曜日(祝日の場合は開館)、12/28~1/2 |
開館時間 | 10:00 ~ 18:00(入館は17:30まで) |
料金 | 土日祝一般 :2,200円 平日一般:2,000円 大学・高校生:1,400円 中学・小学生:800円 |
お問合せ | 075-771-4334 |
公式サイト | https://www.andywarholkyoto.jp/ |