京都府立堂本印象美術館では、2025年1月21日から3月30日まで、企画展「歴史画パラダイス」が開かれる。堂本印象が手がけた歴史上の人物や宗教的テーマを中心に、初期から晩年までの作品を通してその画業を紹介する。
▪展示の見どころ
大正時代に制作された《維摩》には、インド文化への憧れが色濃く反映されている。昭和期に帝展へ出品された《大原談義》(知恩院蔵)では、歴史的情景を繊細に描き出している。また、晩年の《法然上人一枚起請文》では法然上人の教えが抽象的に表現され、堂本の多様な作風がうかがえる。さらに、菅原道真や楠木正成、聖徳太子などを題材にした作品が並び、歴史を芸術的視点で捉え直す機会を提供している。
特別展示には、恵美須神社所蔵の《恵美須大神》や北野天満宮の《御神号(菅原道真公)》が登場。堂本印象が宗教と歴史をどのように融合させたかを探る手がかりとなる。
▪関連イベント
会期中にはギャラリートークが実施され、作品制作の背景や作者の意図について深く理解を深める場が用意されている。
堂本印象の歴史画を通じ、日本の宗教と歴史文化に新たな視点で触れる機会として期待されている。
【出典:@PRESS 2024年12月26日】