人の出会いが新たな魅力を生んだ
名家の旧邸宅を再生するにあたり、県内で活躍するアーティストにも声をかけた。ただのリノベーションではない。聖地身延山にあって、「ここだけの価値」を生み出すことがいちばん大切だと考えた。
クリエイティブ・ウッド・ファクトリー・ケイの栗原 大(ふとし)さんと髙橋裕美(ひろみ)さん。以前覚林坊のリフォームを担当したことがきっかけで、今回はロゴや照明、隣接するカフェのデザインなど室内装飾全般を担当した。「伝統息づく身延山で、今回はとても大きな挑戦だと思います。同じような悩みを抱えている古い町の参考にしてもらえる成功事例になるのではないでしょうか」
玄関には、陶彫作家で書家の市田志保さんの作品「邂逅」が掲げられた。「私の個展に来てくださった純子さんがこの字に感銘を受けてくれて、お話しをしているうちに、彼女の思いにふれ、今回書かせていただくことになったんです。この宿が地域の拠点になっていってくれると信じています」
延山大学の工房・彫玄堂の佛師でもある依田司さんによる襖絵も必見