さらに迎賓館えびす屋では、人と人のつながりで、新たなおもてなしのパフォーマンス『祭り』が誕生した。演じるのは、女将に影響されて身延山に移住してきた青年の一人、大手ゼネコン出身の遠藤史哉さんだ。生まれ育った岩手県に伝わる郷土芸能『八木節』を力強く舞う。
その八木節に、女将の息子で副住職の樋口是皐(ぜこう)さんが加わって、幼い頃から鍛え上げてきた身延山「御会式万燈行列」のパフォーマンス「纏(まとい)」を披露して熱い競演を繰り広げる。ときにはゲストも参加して、得がたい体験となる。
身延山でも、ここだけでしか見ることのできない特別なおもてなしパフォーマンスは、すでに迎賓館えびす屋の名物となっている。人と人との出会いが生んだコラボレーションだ。
域の違う二つの祭りのコラボを見られるのは、ここだけの価値
覚林坊の樋口是皐副住職
『祭り』で八木節を披露するゼネコン出身の遠藤史哉さん(左)は、覚林坊や迎賓館えびす屋をはじめとしたプロジェクトの立ち上げや資金調達、現場マネジメントと並行し、まちおこし×教育をテーマにお祭り体験「八木節」や県内外の大学生と身延町の活性化を図る「遠藤塾」などの活動も精力的に行う/情野瑞穂(せいのみずほ)さん(中)は、山梨でカフェを開業する夢の実現を目指して地元埼玉と身延町の二拠点生活を送っている/日本画や金継ぎを学びながら覚林坊に住み込みで働くフランス人アーティストのダミアンさん(右)は、日本国内で定住先を探している時に覚林坊の女将と出会い、宿坊の雑務を手伝いながら創作の日々を送っている