速報【輝け!お寺の掲示板大賞2024】大賞・笑い飯哲夫賞・寺社NOW賞ほか全15作品一挙公開!

全国の寺院が門前に掲示する標語を対象にした「輝け!お寺の掲示板大賞2024」(主催:仏教伝道協会、協賛:全国寺社観光協会ほか)の受賞作品が発表された。2018年に創設されたこのコンテストは、門前の標語をSNSで公募し、自薦他薦問わず投稿された作品の中から印象に残る言葉を選定するもの。7回目となる今年は7月から9月の応募期間に3755点が寄せられ、大賞、笑い飯哲夫賞、全国寺社観光協会の「寺社Now賞」ほか全15作品が選出された。

掲示板をきっかけに、お寺に参ろう!
お寺の掲示板大賞2024公式HP:https://www.bdk.or.jp/kagayake2024/

以下、2024年全受賞作品

〈受賞作品〉
▪仏教伝道協会大賞:望もうと望むまいとあなたは独りじゃない
▪仏教伝道協会本賞:私なんか、という自慢
▪仏教伝道協会本賞:気を抜くな 君もいつかは古くなる
▪仏教伝道協会本賞:育児とは育自なり
▪仏教伝道協会本賞:今度は今度 今は今 映画
▪中外日報賞:幸せは築くものじゃなくて 気づくもの
▪仏教タイムス賞:草取りは 苦サ取りのぞく 修行なり 苦を取りみれば さとりなりけり
▪文化時報賞:正義の反対は別の正義
▪寺社NOW賞:声を上げられる人だけが世界を構成しているわけではない
▪彼岸寺賞:おなじ船に乗っている
▪まいてら賞:辛いこともある 苦しいこともある だからお寺がここにある
▪お寺の窓口賞:暗闇だからこそ光に気づく
▪寺子屋ブッダ賞:一歩進んで二歩下がる 歩んだ数はプラス3
▪ここより賞:高見を望めば首がこる うつむき過ぎると壁に当たる 何でもほどほど水平がよい
▪笑い飯哲夫賞:「幸せを手にいれる」のではなく「幸せを感じられる心を手に入れる」

仏教伝道協会大賞

「望もうと望むまいと あなたは 独りじゃない。」

撮影者アカウント名:@chokakuji
寺院名:超覚寺(真宗大谷派・広島県)
講評:孤独な状態を望む人、望んでいないのに孤独な状態に陥る人、タイプは様々ですが、この世に独りで生きている人など存在しません。どのような人も人間・生物・自然を含め無数の目に見えない繋がり(縁起)の中で生かされています。社会の中の孤独・孤立問題が深刻化し、分断が強く叫ばれる現在の世の中だからこそ、「繋がり(縁起)を離れて生きている人は存在しない」ということを想起させるメッセージに大賞を送りたいと思います。

仏教伝道協会本賞

「私なんか、という自慢」

撮影者アカウント名:@H27315kyoraku
寺院名:顯證寺(浄土真宗本願寺派・鹿児島県南さつま市)
講評:「慢」とは他者と比較する中で生まれる煩悩。「自慢」と言えば、一般的に自分のことを自分でほめ他者に誇ることですが、「私なんか」という言葉も「慢」から発生した「卑下慢(ひげまん)」(自慢)にあたります。「慢」という煩悩にはくれぐれも気を付けたいものです。

仏教伝道協会本賞

「気を抜くな 君もいつかは 古くなる 」(NHK朝ドラ「虎に翼」)

撮影者アカウント名:@holyji
寺院名:鳳林寺(曹洞宗・静岡県静岡市)
講評:NHKの朝の連続ドラマ小説「虎に翼」の中で登場した言葉。「プチ老害」という言葉が今年の流行語大賞にノミネートされていますが、どんな人も必ず老い、古くなっていきます。「老」は仏教の四苦の一つ。自己や他者の「老」と謙虚に向き合っていきましょう。

仏教伝道協会本賞

「育児とは 育自なり」

撮影者アカウント名:saishoji
寺院名:西照寺(浄土真宗本願寺派・熊本県菊池市)
講評:子どもを育てることは自分自身と向き合い、成長することにもつながります。子どもの姿は自分の鏡。子どものふり見て、自分の行動を見つめなおしましょう。

仏教伝道協会本賞

「今度は 今度 今は 今 」(映画「パーフェクトデイズ』)

撮影者アカウント名:@akilayoshida
寺院名:光蓮寺ビハーラハウス(岩手県盛岡市)
講評:映画”PERFECT DAYS”の中で主人公の役所広司さんが発したことば。『中部経典』の「一夜賢者経」では、過去でも未来でもなく、「今」の重要性が強調されています。この掲示板には「今今今今」と並びます。「今」という時間を大切に精一杯生きていきましょう。

中外日報

「しあわせは 築くものじゃなくて 気づくもの 」(南條了瑛)

撮影者アカウント名:@hiro5936
寺院名:法光寺(浄土真宗本願寺派・福岡県田川郡)
講評:人は誰しも「幸せな人生を生きたい」と願います。でも「幸せ」って何だろう? 立派な家や財産を築いたとしても、心の平安は得られません。幸せとは、いま生きていることの不思議に気づく時に心を満たすもの――そんなことを教えてくれます。※浄土真宗本願寺派僧侶南條了瑛師が紹介した言葉です。

仏教タイムス

「草取りは 苦サ取りのぞく 修行なり 苦を取りみれば さとりなりけり」

撮影者アカウント名:omiceltis
寺院名:竜王観音禅寺(臨済宗妙心寺派・滋賀県蒲生郡)
講評:「草(苦サ)取りのぞく修行」は容易ではないが、一つのことをやり遂げればやがて光が見えるもの。この道の先駆者、周梨槃特のエピソードを思い起こします。また黒板に白墨という掲示もどこか懐かしい。

文化時報

「正義の 反対は 別の正義」

撮影者アカウント名:@hiro5936
寺院名:通善寺(真宗大谷派・福岡県田川郡)
講評:正義の反対は悪、と思いがちですが、そうではありません。親子や夫婦、職場や学校、政治や国際社会。立場が変われば、それぞれの主張が正義です。「どっちもどっち」で思考停止しないよう、ご住職から教えを聞きたくなりました。

寺社NOW

「声を上げられる人だけが世界を構成しているわけではない」(小川公代)

撮影者アカウント名:hirolotti
寺院名:西光寺(真宗大谷派・大分県日田市)
講評:掲示板のメッセージに、ふと足を止める。添えられた名前を頼りに出典を探り、入手し、一読する。するとそれは、いのちや他者を大切にする「ケア」をキーワードに世界の文学を読み解いていく気鋭の英文学者による至言だった。他者の(そして自分自身の)言葉にならない声に耳を傾ける。お寺の掲示板を介して、同じ本を読んだに違いない僧侶と無言の会話をした心持ちになる。

彼岸寺

「おなじ船に乗っている」(バンクシー)

撮影者アカウント名:@hiro5936
寺院名:雲西寺(浄土真宗本願寺派・大分県中津市)
講評:今年もいろんな意味で激動の一年だったように思います。世界の各地で様々な差別と分断が生み出され、争いに繋がっていく。このような行いは、気に入らない他者を苦しめるだけにとどまらず、必ず自らをも傷つけることにも繋がるもの。私たちは誰もが同じ船に乗る者として、共に手を取り合える、そのような明日を願ってこの言葉を選びました。

まいてら

「辛いこともある 苦しいこともある だからお寺がここにある」

撮影者アカウント名:@hiro5936
寺院名:長明寺(浄土真宗東本願寺派・福岡県田川郡)
講評:お寺の社会的存在意義を端的に表現されたメッセージとして、選ばせていただきました。仏教で謳う抜苦与楽の価値を生活者に届けていく存在として、お寺がこれからも末永く続いていきますよう。そして、一人でも多くの生活者が、「まいてら(私のお寺)」と思える良きお寺とのご縁が結ばれていくことを願っております。

お寺の窓口

「暗闇だからこそ光に気づく」

撮影者アカウント名:la source de vie@1947_2016
寺院名:徳性寺(浄土宗・東京都文京区)
講評:昨今、闇バイトでお金のない若者が目先に惑わされ応募し、どん底へ落ちて今の状況に気がつく方が多いようです。仏教においての「無明」とは人間の苦しみや迷いを生み出す最も根本的な原因です。人間はみな心に「無明」(闇)を抱えており、絶望的な状況に陥ることもありますが、常に仏様(阿弥陀仏)の光は私を照らしているのです。

寺子屋ブッダ

「一歩進んで二歩下がる 歩んだ数はプラス3」

撮影者アカウント名:hirolotti
寺院名:法顕寺(浄土真宗本願寺派・福岡県築上町)
講評:「無駄なことなど何もない!」と勇気をもらいつつ、「物差し」に縛られている自分にも気付かされました。次世代に語り継ぎたい名作です。
※浄土真宗本願寺派上毛組が作成した伝道ポスターです。

ここより

「高見を望めば首がこる うつむき過ぎると壁に当たる 何でもほどほど水平がよい」

撮影者アカウント名:kumamoto-castle@kumamon1591
寺院名:宗岳寺(曹洞宗・熊本県熊本市)
講評:ご住職の人柄が伝わってくるような迫力を感じ、選出いたしました。「中道」をわかりやすく説いているうえに、情景が浮かんでくるような描写力。そしてなんといっても、手書きならではの「肉筆感」が圧倒的でした。

笑い飯哲夫

「幸せを手にいれる」のではなく「幸せを感じられる心を手に入れる」(ブラッド・ピット)

撮影者アカウント名:sho_rin_in
寺院名:松林院(日蓮宗・京都府京都市)
講評:ブラッドピッドが個人的に好きで、さらに仏教徒っぽい言葉だったので好感が持てました。もう一つの理由は、後輩芸人のズラットピットがズラをかぶっているときは幸せそうだったので、ズラがなくても幸せを感じられる心があってほしいということでこの作品を選びました。

〈これまでの受賞作〉
第1回(2018年)
第2回(2019年)
第3回(2020年)
第4回(2021年)
第5回(2022年)
第6回(2023年)
※クリックで各年の受賞作閲覧ページへ

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監修:全国寺社観光協会

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