【予告】奈良国立博物館特別展「大安寺のすべて ―天平のみほとけと祈り―」国宝10件・重文50件(2022年4/23〜6/19)

奈良国立博物館の特別展「大安寺のすべて―天平のみほとけと祈り―」(2022年4月23日~6月19日)の詳細が明らかになった。

〝癌封じの寺〟として有名な大安寺(だいあんじ)は、教科書でおなじみ〝南都七大寺〟のひとつ。奈良時代、南都(=平城京)にあって、朝廷の保護を受けた7つの寺院[大安寺、東大寺、西大寺、法隆寺、薬師寺、元興寺、興福寺]のうち、筆頭格の大寺院だった。西の薬師寺に対峙する国家鎮護の寺でもあった。

最盛期には、東京ドームおよそ6個分、26万平方メートルにも及ぶ広大な寺域を誇り、当時の技術の粋を集めた高さ約70メートルを超える七重塔が2基、そのほか90余りの堂塔を有していた。国内外の高官や文化人などVIPが滞在する迎賓館の役割も果たしていた。1000人近い学僧たちが、当時最先端の学問でもあった仏教を究めんと学び、そして日々祈りを捧げる。若き日の空海や最澄も、大安寺で学び、そして羽ばたいていった。

本展では、時代をリードする大寺院であった「大安寺のすべて 」が紹介される。大安寺様式といわれる奈良時代の木造十一面観音立像、木造四天王立像、木造不空羂索観音立像、木造楊柳観音立像(いずれも重文)などの天平仏をはじめとする数々の寺宝(国宝10件、重文50件ほか)や関連作品、さらには最新の発掘調査の成果などが惜しげもなく公開されるというのだから、どうやら見逃すわけにはいかなそうだ。

展示構成
1章:大安寺のはじまり
2章:華やかなる大寺
3章:大安寺釈迦如来像をめぐる世界
4章:大安寺をめぐる人々と信仰
5章:中世以降の大安寺

左)重要文化財「伝楊柳観音立像」奈良時代(8世紀)奈良・大安寺【通期】。中央)重要文化財「十一面観音立像」 奈良時代(8世紀) 奈良・大安寺【前期】。右)重要文化財「伝馬頭観音立像」 奈良時代(8世紀) 奈良・大安寺【後期】

左上)陶枕(大安寺旧境内出土) 中国・唐(8世紀) 奈良文化財研究所【通期】。左下)隅木先金具・鉄釘(大官大寺跡出土) 飛鳥時代(7~8世紀) 奈良文化財研究所【通期】。右)風鐸(大安寺旧境内出土) 平安時代(9世紀) 奈良市埋蔵文化財調査センター【通期】。 奈良時代、東大寺建立後の一時期をのぞき、官寺筆頭の寺格を有した大安寺。旧境内地の発掘調査によって、壮麗な大寺の姿が明らかになった。当時の大安寺の活動を彷彿とさせる出土品を紹介すると共に、いまなお大安寺に伝わる奈良時代のみほとけを一堂に集め、往時の伽藍の輝きが再現される

左上)国宝「倶舎曼荼羅」平安時代(12世紀) 奈良・東大寺【後期】。 右上)国宝「釈迦如来像」平安時代(12世紀) 京都・神護寺【展示期間:6月7日~6月19日】。 下)重要文化財「仏涅槃図 南北朝時代」康永4年(1345) 東京・根津美術館【前期】 大安寺の本尊であった釈迦如来像は、飛鳥の地において、天智天皇の発願により造られたとされる。今は失われて姿を見ることができないが、平安時代には薬師寺金堂の薬師三尊像よりも優れていると評されたほど。その後も日本随一の理想的な釈迦像と讃えられた。本展では、大安寺釈迦如来像が造られた頃の仏像や、記録、説話などさまざまな手がかりに、その姿を浮かび上がらせようと試みられる

特別展「大安寺のすべて —天平のみほとけと祈り—」

会期
2022年4月23日(土)〜6月19日(日)
会場
奈良国立博物館 東・西新館
開館時間
9時30分~17時
4月29日(金)~5月7日(土)は19時まで
※入館は閉館の30分前まで
料金
一般 1,800円
休館日毎週月曜日 ※ただし5月2日(月)は開館
公式サイト https://www.narahaku.go.jp/
問い合わせハローダイヤル 050-5542-8600

【大安寺】
〒630-8133 奈良市大安寺2-18-1 TEL 0742-61-6312
拝観時間 午前9時~午後5時 年中無休
公式サイト:http://www.daianji.or.jp/

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監修:全国寺社観光協会

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