四国の玄関口、香川県高松市西部の国分寺町にある眞教寺(真宗興正派)第15世住職・佐々木剛氏は、『エンディング産業展』ほかスポーツ・健康・外食・レジャー・冠婚葬祭などさまざまな展示会を主催するTSO Intenational株式会社の代表取締役というもうひとつの顔を持つ。東京で事業を興し、ふるさとの香川に戻って事業と寺業を両立させている仏教界最強のビジネスマン住職の一人とも言える佐々木氏は、先代から引き継いだ経営困難と思われた寺院の改革に挑んでいる。
改革ののろしとなるのは、地域人材と食材を活用したカフェレストラン「萬燈(まんどう)珈琲店」と「眞教寺 萬燈宿坊」だ。今回は、これからの寺院経営に、そしてあらゆる事業経営に必要となる経営者マインドを佐々木氏に学ぶ。
高松市国分寺町は、天平年間に讃岐国分寺・国分尼寺が建立され、かつての讃岐国の政治・文化の中心地だった地域。その南端にある伽藍山麓の眞教寺は、創建から400年以上の歴史を有する寺院だが、重要文化財があるわけではない。にもかかわらず、朝から寺院の駐車場には続々と車が入ってくる。目的は「萬燈(まんどう)珈琲店」だ。