失われた人類遺産を復元! クローン文化財による世界文化の共有【東京藝術大学大学美術館「みろく展」開催記念特集④】

法隆寺釈迦三尊像

2014年6月、東京藝術大学は法隆寺釈迦三尊像の三次元計測、蛍光X線分析、高精細デジタル写真撮影、近赤外線反射撮影を実施し、門外不出の同像を同素材、同質感を目指して再現するプロジェクトがスタートした。三次元計測など最先端のデジタル技術と金属造形技術に加え、伝統的な鋳物技術と彫刻技術をハイブリッドに駆使した再現に取り組み、現在の古びた釈迦三尊像の再現とともに、黄金に光輝く金銅、釈迦三尊像を復元した。その際に、飛鳥時代の造像制作当初の姿に迫る試みを取り入れている。

現在は欠落した中尊の螺髪や白毫を復元し、美術史における先行研究を踏まえて脇侍の左右を現状と入れ替えて配置した。さらには、大光背の周囲には飛天が取り付けられていたとみられる小孔が残ることから、同時代の作例を参考とし、飛天を復元し大光背に取り付けた。また、螺髪は群青で、お顔を墨および辰砂で彩色し、水晶の白毫をつけ、像全体を黄金色に仕上げた。

法隆寺釈迦三尊像の三次元化計画

法隆寺釈迦三尊像の復元彩色

法隆寺釈迦三尊像の再現

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監修:全国寺社観光協会

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