天高く、秋晴れの2022年10月22日、成田屋と成田山、そして成田山の参道に、新たなる歴史の1ページが刻まれた。
この日、まもなく「十三代目市川團十郎」を襲名する市川海老蔵丈（44）が、團十郎家とゆかりの深い成田山新勝寺（千葉県成田市）に奉告参拝に訪れ、参道を埋め尽くす大勢のファンや参拝客に見守られながら「お練り行列」を行った。その後、新勝寺本堂前の特設ステージで、長女の市川ぼたんさん（11）、長男の堀越勸玄君（9）らと共に、海老蔵としては最後の舞台となる歌舞伎「雪月花三景 仲国」を奉納した。
【2022年10月22日：寺社Now撮影】、成田山新勝寺参道にて團十郎襲名奉告参拝の「お練り行列」が行われた。18年前、海老蔵襲名の際は徒歩でのお練りだったが、今回はコロナ禍ということもあって人力車での実施となった
成田山参道は祝賀ムードに包まれ、紙吹雪が舞う！
〈関連News映像〉
▪【速報】ゆかり深い成田山でお練り 海老蔵さん親子（KYODO NEWS）
▪【襲名へ】市川海老蔵さん、堀越勸玄さんら成田山新勝寺に奉告参拝（朝日新聞社）
▪堀越勸玄、囲み取材で記者を翻弄！？ 八代目市川新之助襲名には「心配あります」『十三代目 市川團十郎 白猿襲名披露八代目 市川新之助 初舞台「襲名奉告参拝」（oricon）
さてそして、この記念すべき日に海老蔵丈が、お練り行列と公演のわずかな時間のあいまに駆けつけたのが、門前宿「和空 成田山門前」のグランドオープニングセレモニーであった。
初代團十郎（1660-1704）の時代から成田山新勝寺とゆかりが深く、「成田屋」の屋号を持つ歌舞伎俳優、市川海老蔵丈（十三代目市川團十郎襲名予定）が「和空 成田山門前」のブランドアドバイザーに就任！
写真上）江戸時代創業の老舗旅館「梅屋」の跡地に建てられ、外観は参道のランドマークだった同旅館をイメージしている。写真下）オープニングのセレモニーでは、施設を運営する和空プロジェクトの平田益男代表（左から4番目）、小泉一成成田市長（右から4番目）らの挨拶に続いて、駆けつけた海老蔵丈（写真中央）が、見物に集まった大勢の参拝客に見守られながら「門前の宿と参道の益々の発展を！」と門出を祝った。
「和空 成田山門前」は、全国で参道活性プロジェクトを展開している株式会社和空プロジェクト（本社：大阪府大阪市、代表取締役：平田益男）が展開する「和空シリーズ」最新のラインナップ。同社はこれまで、門前宿「和空 法隆寺」（奈良県斑鳩町）や、宿坊「和空 三井寺」（滋賀県大津市）、宿坊型ホテル「和空 下寺町」など主に関西を中心にに宿泊施設を運営していたが、門前宿「和空 成田山門前」が関東初進出の施設となる。
開業にあたり、ご縁があった市川團十郎宗家の市川海老蔵丈がブランドアドバイザーとして就任し、館内には同家から預託された歌舞伎関連の貴重な資料が各所に展示されているほか、歌舞伎も学べるスライドショーやギャラリートークやイベント等も開催される。
1階ロビーからレストランへは、成田屋の「三升（みます）」紋をモチーフにしたゲートをくぐる。海老蔵丈の右手に見えるのは、九代目市川團十郎の役者絵「歌舞伎十八番 不動」。
ロビーには、歌舞伎十八番「勧進帳」武蔵坊弁慶の舞台衣裳の展示も！（展示替えあり）
館内風景。各階の廊下が宿泊ゲスト限定のギャラリーに！
十三代市川團十郎、海老蔵時代の貴重な資料となる。
成田屋・市川團十郎宗家から預託された貴重な資料と出会えるのは、門前宿「和空 成田山門前ならでは！
門前宿で身を清め、成田山新勝寺で心を清め、明日への活力をみなぎらす！
「和空 成田山門前」は、さながら成田屋ミュージアム！スライドショーやギャラリートークも楽しめる。
市川團十郎宗家と成田山新勝寺は、江戸元禄以来、成田山不動尊信仰の絆で結ばれており、節目ごとに成田山への参詣を重ねてきた。初代團十郎はたびたび不動明王を演じ、成田屋の屋号もその頃から始まったものとされている。
團十郎が演じるお不動様を見た江戸の町民が、こぞってご当地の成田山を訪れるようになり、やがて門前町が形成されていく。そうした日本文化の伝統の地で、十三代目市川團十郎白猿を襲名する市川海老蔵丈をブランドアドバイザーとして、「和空 成田山門前」が開業した。
施設は、JR・京成成田駅前から約800m続く成田山表参道にかつてあった老舗旅館「梅屋」の跡地に立地している。成田山新勝寺の総門まで徒歩でわずか約2分。門前町は、日本遺産「北総四都市江戸紀行」の構成資産で、東京近郊にありながら江戸情緒を体感することができる趣のある町並みが人気だ。もちろん日本の空の玄関口・成田国際空港からもほど近い。
オープニングの式典に列席した小泉市長は「世界から一番近い江戸」とアピールし、和空プロジェクトの平田代表は「かつて成田山参道のランドマークでもあった老舗旅館「梅屋」の跡地で、地域の皆様と共に歴史と伝統ある成田山と歌舞伎の魅力を国内外に発信していくお手伝いをさせていただきたい」と意気込みを語った。
施設の計画と着工はコロナ禍以前であったが、コロナ禍の影響で計画が大幅に遅れて今日に至った。しかしそのおかげで、開業が團十郎襲名のタイミングと見事に合致した。施設では、専属の語り部（ガイド）が案内する「成田山参拝ツアー」などのアクティビティやイベントなども用意しているという。今回の門前宿「和空 成田山門前」の開業が、after/withコロナ時代の寺社観光と地域活性の起爆剤となることを期待したい。
「和空 成田山門前」の客室例：3階 プレミアム和室スイート（99.70㎡）｜参道と成田山新勝寺を眺めることができる広々とした窓と和モダンなしつらえが印象的。
写真は夕餉の料理例。そもそも歌舞伎は、出雲の阿国（おくに）が京都で「かぶき踊り」を見せたのが始まりと言われている。その後、女歌舞伎・若衆歌舞伎・野郎歌舞伎を経て、元禄のころには市川團十郎らにより現在の歌舞伎の形ができあがった。「和空 成田山門前」では、そうした歴史を持つ歌舞伎ゆかりの京都から日本料理の匠を招聘し、海の幸や山の幸が豊富な房総半島を含む千葉の地場食材を活かした新たなる伝統料理「和空 門前懐石」を提供する。また、ランチタイムには宿泊ゲストに限らず一般の参拝者にも開放して、和空ランチや、アフタヌーンティーも提供する。
「和空 成田山門前」施設概要
| 施設名称 | 門前宿「和空 成田山門前」（わくう なりたさんもんぜん） |
| 所在地 | 千葉県成田市仲町379-1 |
| アクセス | 京成電鉄「京成成田駅」、JR線「成田駅」より徒歩10分 （宿から成田山新勝寺まで徒歩約2分） |
| 客室数 / 定員 | 23室 / 61人 |
| 宿泊料金 | 37,000円～/1名（1泊2食付） |
| 公式ホームページ | https://waqoo-naritasan.com/ |
| 問い合わせ | 0476-37-8177（代表） 0476-37-7470（レストラン） |
| 管理・運営 | 株式会社和空プロジェクト |
〈関連サイト〉
▪和空 成田山門前
https://waqoo-naritasan.com/
▪大本山 成田山新勝寺
https://www.naritasan.or.jp/
特集：市川團十郎と成田山のお不動さま
https://www.naritasan.or.jp/special/danjurou/
▪成田屋 市川團十郎・市川海老蔵 公式Webサイト
http://www.naritaya.jp/
成田屋 早わかり（家系図・歌舞伎十八番）
http://www.naritaya.jp/naritaya/
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