「生命とは?」「存在とは何か?」を歴史ある仏堂で体験!
〝西の比叡山〟とも称される兵庫県姫路市の書写山圓教寺(しょしゃざんえんぎょうじ)にて、アート集団・チームラボによる展覧会「チームラボ 圓教寺 認知上の存在」が、オールひめじ・アーツ&ライフ・プロジェクトの一環として開幕した。
【会期:4月29日(土)から12月3日(日)まで】
テーマはズバリ、「存在とは何か?」
会場は、後白河法皇の勅願により創建された「食堂(じきどう)」(国指定重要文化財)だ。2階建の仏堂としては日本の指定文化財の中で最大規模となる建物の1階部分、別名「長堂」とも呼ばれる全長約38mの空間が、暗闇に包まれ、チームラボによる最新の作品空間となっている。
ちなみに食堂は、平安時代から1千余年の歴史を刻む名刹・書寫山圓教寺の三之堂を構成する伽藍のひとつで、往時は僧侶の学問や寝食の場であった。
その食堂の堂内、暗がりの中に、色の異なる光源が2カ所。
それぞれの空間で立ち止まり、光源を凝視する。
瞑想にも似たコンセントレーションを要する体験型のアートだ。
光源を凝視して集中すると、やがて、物質的にはそこに存在しているはずのない光り輝く球体が、場の環境と自分自身の認知の作用により現象として生み出されてくる。
そしてその球体が、次第に堂内いっぱいに拡がっていく。
自分自身の認知により、これまでは見えていなかった新しい世界を見出すことになる。
世界が拡張する体験と言い換えることもできよう。
世界は自分の外に独立してあるのではなく、自分とつながって、自分とともに、自分の中にあることに気が付かされる。
「総合芸術の聖地」を提唱する書写山圓教寺で出会う光の球体は、「生命」そして「存在」という普遍的な問いをめぐる思索へと私たちを導いてくれる。
私たちは、見ている世界を認知しているのではない。私たちは、認知している世界を見ている。
無数の線の集合による球体。細い光の線は、中心から放射状に無数に広がり、球体を形作る。光源は動かないが、無数の線はうごめき続ける。
球体には境界面がなく、作品と身体との境界の認識は曖昧である。球体に触れようとすると、球体は反応するが、物理的な境界面はないため、手は球体の中に入る。
この球体は、何か?
線はなぜうごめくのか?
我々の世界は、我々の中にあるのだ。
そして、この線群の球体を認知した後、認知している世界は広がり、世界中のいたるところでこの線群の球体を見ることになるだろう。(チームラボ)
[photo by 寺社Now]
チームラボ 圓教寺「認知上の存在」
会期 | 2023年4月29日(土曜日)から12月3日(日曜日) 午前10時から午後3時45分(最終入場は午後3時30分) |
開館時間 | 10:00~15:45(最終入場は15:30) |
休場日 | 会期中無休(天候により中止になる場合があります) |
会場 | 書写山圓教寺 三之堂 食堂(じきどう)1階 |
公式サイト |