寺社Nowでも既報のように10月に「京都平安大使」に任命された歌舞伎俳優・市川海老蔵が11月5日夕刻、〝日本仏教の母山〟とも称される天台宗総本山 比叡山延暦寺(滋賀県大津市)を訪れ、総本堂である根本中堂にて「不滅の法灯」の分灯を授かった。
分灯はその後、京都まで厳かに運ばれ、翌6日に平安神宮(京都市左京区)で開催された「京都平安大使就任記念 市川海老蔵 平安神宮特別記念公演」の開幕に際して、「不滅の法灯」による点火でイルミネーションが光り輝く「きぼうのあかり」の点灯式に用いられた。1200年前に伝教大師最澄が天台宗を開いた際に「一隅を照らす人になる」ことを願って灯したその明かりが世界を照らす。
この歴史的な「不滅の法灯」の分灯と「きぼうのあかり」の点灯にについて海老蔵はブログで、「比叡山延暦寺の開祖伝教大師最澄が灯明をかかげて以来、1200年ものあいだ絶えることなく輝き続けている法灯です。光とは未来や希望を表します。この光が世の苦しみや困難が希望の光により消え去り皆と共に希望の未来を作れればと思います。そのような光になればと強く願うばかりです」とコメントしている。
◆不滅の法灯(ふめつのほうとう)
「不滅の法灯」は、比叡山で修行した最澄が788年(延暦7年)、根本中堂の前身である一乗止観院を建立した際に、自ら刻んだ薬師瑠璃光如来の宝前に灯明をかかげて以来、1200年以上もの長きにわたって絶えることなく灯り続け、天台宗のシンボルとなっている。
灯明をかかげるに際して最澄は、「明らけく 後(のち)の仏の御世(みよ)までも 光りつたへよ 法(のり)のともしび(仏の光であり、法華経の教えを表すこの光を、末法の世を乗り越えて弥勒如来がお出ましになるまで消えることなくこの比叡山でお守りし、すべての世の中を照らすように)」と詠み、この灯明が仏の光であり、また法華経の教えを表すものであり、末法の世を乗り越えて未来の仏である弥勒(みろく)如来がお出ましになるまで、灯明を消えることなく守り、すべての世の中を照らすようにと願いを込めた。
▼現在開催されている東京国立博物館【伝教大師1200年大遠忌記念 特別展「最澄と天台宗のすべて」】会場でも「延暦寺 国宝 根本中堂(内陣中央の厨子)」が再現されている
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