一歩踏み出す勇気。【絵馬師☆永崎ひまるの「ふくふく!百年開運大絵馬」第4回:霧島神宮(鹿児島県霧島市)】

霧島神宮(鹿児島県霧島市)の「本殿・幣殿・拝殿」が、今年(令和4年)2月、正式に「国宝」に指定されました。写真を見てわかるように、高低差を利用して〈拝殿→幣殿→本殿〉とつながる形で一棟になっていて、それはまるで地上から天界へと上っていくかのようです。

主祭神は、天孫降臨神話の主人公、ニニギノミコト(瓊瓊杵尊)。創建は6世紀、欽明天皇の頃に遡ります。元宮は高千穂峰の山頂付近にあったそうですが、霧島山の噴火によりたびたび火災にあい、やがて現在の地へ。社殿は、薩摩藩主により奉納されたものだとか。

樹齢800年の御神木やさざれ石、霧島七不思議の伝説など、最近では南九州最大の〝パワースポット〟としても人気です。坂本龍馬と妻のおりょうさんが、 日本初の新婚旅行で参拝したところとしても知られています。

さてその霧島神宮に奉納した大絵馬ですが、神話に登場するニニギノミコトの、未来志向の熱いパッションをモチーフにしています。

ニニギノミコトは、アマテラスオオミカミ(天照大御神)の勅命を受け、この地に降り立ちました。まさにその瞬間の、仲間と共に新しい大地を開拓していこうとする未来へ向かう希望と勇気、そして固い決意と熱いパッションを描きました。夢をカタチにしたいと願う方に、神様からの御加護がありますようにとの祈りも込めています。

どんなことでも何かを始めるには、タイミングがありますよね。そしてその瞬間は、誰にとっても前に一歩踏み出す勇気が必要です。ニニギノミコトだって、きっとそうだったでしょう。その勇気が未来を切り拓き、新しい世界を創り出したのです。

ところでこの大絵馬は、写真だとどうでしょう、わかるでしょうか、実はよくあるヒノキ材ではなく、手漉きの和紙で出来ているんです。私が、和紙の産地である埼玉県小川町のふるさと大使を務めていることもあって、初めて和紙の絵馬に挑戦してみました。

楮を原料とする「細川紙」と言って、島根県浜田市の「石州半紙」、岐阜県美濃市の「本美濃紙」と共に、ユネスコ無形文化遺産に「和紙:日本の手漉和紙技術」として登録されています。

今回の手漉き和紙の大絵馬は、私にとっても初めてのチャレンジです。ニニギノミコトの未来に向かう勇気とパッションを感じていただければ幸いです。

霧島神宮の社殿は、島津家第21代吉貴公によって正徳5年(1715)に造営寄進された。以来300年を経過して、このたび「国宝」に指定された [写真:霧島神宮]


霧島神宮

住所:鹿児島県霧島市霧島田口2608-5
TEL:0995-57-0001
お問い合せ:8:00~17:00
公式ホームページ:https://kirishimajingu.or.jp/


永崎ひまる(絵馬師・和風画家・デザイナー)
神道文化会 平成27(2015)年度「神道文化賞」受賞(絵馬師初)。また日本文化「和紙」の普及にも尽力する一方で、グラフィックデザイナーとしてのキャリアも活かして、陶器や雑貨などの商品デザインや、日本酒やワインのラベルデザインなど、絵馬だけでなく多岐ジャンルでも活躍中。
※神道文化賞:神道文化の普及に貢献している功労者に贈られる伝統ある賞
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監修:全国寺社観光協会

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