カフェに続き、翌平成30年(2018)11月に民泊宿坊をオープンした。
本堂から続く門徒会館の一部に和洋計5室があり、食事は隣接する萬燈珈琲店の産直食材メニューのほか、共有ダイニングキッチンで自炊もOK。
レンタサイクルがあるので、田園風景にため池が点在する香川らしい景色をサイクリングするのも、ここならではの過ごし方だ。
さらに、宿坊のすべての部屋と萬燈珈琲店はフリーWi-Fiを完備しているので、静かな環境の中でワーケーションもできる。門徒会館1階の広間が仕事スペースとして使えるほか、萬燈珈琲店ではドリンクと併設のジム利用が無料。
このようにいろいろな使い方ができるとあって、開設から2年が過ぎ、旅行者から門徒まで、幅広く利用されている。
眞教寺改革の経営マインドとは
萬燈珈琲店も宿坊も眞教寺の経営だが、運営はTSO International株式会社。この会社は佐々木氏が経営し、仏教界では名の知れたエンディング産業展や石材・霊園産業展をはじめ、ASEAN地区最大級のスポーツ・健康産業展示会SPORTECといった国際見本市も手がける、日本では数少ないプロの展示会プロデュース企業だ。
東京に会社を設立したばかりの平成23年(2011)、佐々木氏は先代住職の死去を受け、眞教寺の住職として高松に戻ることとなる。その際に、寺院経営と会社経営を両立させるため、自身がダブルワークできる環境を整備。さっそく住職としての仕事もスタートさせるのだが、その第一歩は、将来を見据えた寺院経営の改革だった。
ここからは、佐々木氏が進めた改革の3つのポイントを紹介していく。