「デスカフェ(Death Cafe)」が国内外で拡大している。ついにガイドブックまで誕生した。「デスカフェ」とは、死をタブー視せずに受け入れ、語り合う場のこと。宗教や国籍、年齢や性別などに関係なく、お茶やコーヒーでも飲みながら語り合う。コロナ禍の影響でオンラインでも拡がりを見せている。寺社Nowでは、他に先駆けて平成30年(2018)11月号で特集をお送りしたが(下記参照)、新たなフェーズに突入したデスカフェの今を緊急レポートする。
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寺社Now22号(平成30年11月発行)デスカフェ特集
デスカフェのルーツは、スイスの社会学者バーナード・クレッタズが、妻の死をきっかけに「死」についてカジュアルに語り合う会を開いたことが始まりと言われている(1999年)。その後、イギリスの社会起業家ジョン・アンダーウッドがロンドンでデスカフェを開催し、deathcafe.comを立ち上げ、デスカフェ開催のガイドラインを公開したことが世界的な拡がりを見せるきっかけとなった(2011年)。現在、世界70カ国以上で開催されている。
日本では2010年頃にデスカフェに近い集まりが開催されたのが最初とされ、以後、少しずつ広まり、寺院を会場として僧侶が開催するケースも出てきている。2020年9月には、世界初となるデスカフェの見本市「デスカフェウィーク2020」がオンライン開催、日本におけるデスカフェ初のガイド本となる『デスカフェ・ガイド〜「場」と「人」と「可能性」〜』が今年2021年5月に出版された。
■国内のデスカフェ年表(デスカフェ・ガイドより)