季節には、流れる小川にホタルが舞う、そんな山あいの静かな町の寺院に、突如として誕生したピッツェリアの物語をお届けしよう。
舞台となるのは、うどん県(香川県)三豊市の南端、四方を山に囲まれた財田(さいた)町にある善教寺(真宗興正派)である。江戸の頃から続く由緒あるこの寺の境内に、令和2年(2020)12月、「Pizza e Bar TEMPIO(ピッツァ エ バール テンピオ)」が誕生した。
「TEMPIO」とはイタリア語で「寺院」のこと。
第20代住職、香西 亨(とおる)さん(61)が、ガレージを改装した店舗内に設えた窯で絶品のピザを焼く。アクセスがいいとはけっして言えない。集客は可能なのだろうか。それよりも何よりもそもそも山あいの寺の住職が、本格的なピッツェリアをオープンした理由が知りたい。
噂を聞きつけ、寺社Nowは、うどん県・香川の善教寺を訪ねた。