世界が落胆した破壊事件。あの壁画が再び目の前に
平成13年に破壊されたアフガニスタン・バーミヤン東大仏の仏龕天井壁画。実はこのバーミヤンの壁画に関して最も重要な資料を有しているのは日本だ。
この壁画は約8メートル四方と巨大。1970 年代に撮影された15000 枚におよぶブローニー版の写真が京都大学人文科学研究所に残っていることを確認し、こうした貴重な画像の中から選んだ約150 枚を、高精細デジタル化して壁画の細かい部分まで完全に復元。岩などに描かれた壁画も、壁の質感や顔料の盛り上がりまで忠実に復元した。また高原のさわやかな風が吹き渡る標高2500 メートルのバーミヤンの渓谷も、最新のCG 技術や4K 映像で再現されており、あたかも時空を超えてバーミヤン大仏の頭上に立っているような感覚を実感させてくれる。