歌舞伎俳優の市川海老蔵が「京都平安大使」に就任した。京都から世界へ向けて日本の文化を発信し、「希望のあかり」を国内外に届けるプロジェクトのシンボルとなる。
10月6日に京都・平安神宮で開催された就任式には、海老蔵のほか、平安神宮・本多和夫宮司、比叡山延暦寺・水尾寂芳執行、京都市・門川大作市長が出席し、コロナ禍にあって大きなダメージを受けている京都が率先して人々の安寧を祈り、未来の希望となる文化を発信していくことを宣言した。
遡ること1200年以上前、平安神宮の御祭神である桓武天皇は、国家の平安を祈って都を京都に移した。天台宗の宗祖である伝教大師・最澄も、国家の安寧を願い比叡山延暦寺を建立した。COVID-19が世界的に猛威を振るい、人類が苦境に陥っている今、1200年の時を越えてその祈りがふたたび出逢い、世界に希望のあかりを灯す。
具体的には、まず毎年春と秋の年に2回、京都の寺社を舞台に海老蔵も出演する歌舞伎などのイベントが開催される。その第1弾として今年11月6日に、「京都平安大使就任記念 市川海老蔵 平安神宮特別記念公演」が催行され、海老蔵の長女・市川ぼたん(10歳)、長男・堀越勸玄(8歳)も、父と同じ舞台で舞う。公演に先立っては、平安神宮と比叡山延暦寺が合同で世界平和を祈願し、千日回峰行者・藤波源信大阿闍梨により特別護摩祈祷が行われる。
また、この特別公演にあわせて「きぼうのあかり」と題する平安神宮のライトアップも実施されることが発表された(点灯式:11月6日、期間:11月7日〜28日)。寺社Nowでは、このライトアップイベントの実施にあたり、比叡山延暦寺の根本中堂で1200年ものあいだ絶えることなく灯し続けられてきた「不滅の法灯」が活用されることに注目したい。
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