浮世絵でバズる流行りの神仏「信じるココロ〜信仰・迷信・噂話」太田記念美術館の挑戦|noteでオンライン展覧会も同時展開!

寺社Now的に、2月の太田記念美術館「信じるココロー信仰・迷信・噂話」展を見逃すわけにはいかない(2022年2月4日~2月27日まで)

東京原宿の太田記念美術館は、国内有数の浮世絵を専門とする美術館として知られている。葛飾北斎や歌川広重、歌川国芳など人気絵師の代表作をはじめとする約14,000点を収蔵しており、月ごとにテーマを替えたユニークな特別展を催していて、以前から気になっていた。

浮世絵専門のミュージアム・太田記念美術館(写真左上)は、喧噪の原宿・竹下通りと表参道に挟まれたエアポケットのような静寂の一画にあり、時間と空間が切り離された異世界を訪れるような不思議な感覚になる

で、今月の企画が「信じるココロ ー 信仰・迷信・噂話」ときた。

〈展示構成〉
Ⅰ 浮世絵で拡散!―流行神・迷信・噂話
 ①流行神(はやりがみ)
 ②迷信
 ③噂話
Ⅱ 江戸のイベントと信仰
Ⅲ 江戸の旅と信仰
Ⅳ 浮世絵と尊像

いつの時代も、人は何かにすがり、何かを信じて生きている。江戸時代もしかり。庶民の間にさまざまな民間信仰が広まり、ブームとも言える〝流行神〟が次々と誕生しては消えていった。

人気の絵師が活躍し、ときに数10万部の大ヒットとなる作品も次々と生み出していた浮世絵というメディアは、そうした信仰や迷信、噂話を拡散することに一役買っていた。また、寺院の出開帳や縁日といった人気のイベント情報を伝えるメディアとしても機能していた。江ノ島の弁財天や大山石尊社、遠方では富士山から伊勢神宮まで、浮世絵は人々を各地の神社仏閣へと誘うガイドの役も果たしていたのだ。

浮世絵が売れることで噂が噂を呼び、話題や流行が広がっていく。今でいうところのSNSと同じよう役割を果たしていたと言えよう。かくして本展覧会は、「信じる」をキーワードにあまたある浮世絵の世界を横断的に検索してキュレーションし、現代にも通じる庶民の「信じるココロ」と世相をあぶり出す!

写真右は本展を担当した太田記念美術館の上席学芸員・渡邉晃さん。専門は浮世絵、特に役者絵。著書に『三代豊国・広重双筆五十三次』(二玄社)、『江戸の悪』『江戸の女装と男装』(青幻舎)、共著に『ニッポンの浮世絵:浮世絵に描かれた「日本のイメージ」』(小学館)、『月岡芳年 妖怪百物語』『怖い浮世絵』(青幻舎)などがある

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監修:全国寺社観光協会

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